競売用語集(初心者が覚えるべき用語20選)

競売用語集(初心者が覚えるべき用語20選+失敗事例&チェックリスト)

はじめに

競売物件は「安く買える」魅力がありますが、専門用語が多く、初心者には難しく感じられることも少なくありません。特に競売独特の言い回しや法律用語は、意味を正しく理解していないと落札後に思わぬトラブルを招きます。

この記事では、競売の基本用語20個を、初心者にも分かりやすく解説します。さらに、各用語に関連する失敗事例確認ポイントをセットで紹介し、実務で役立つ知識を身につけていただきます。

競売用語20選

1. 競売(けいばい)

定義:債務者がローンなどの返済を滞納した際に、債権者が裁判所を通じて不動産を強制的に売却する手続き。

失敗事例:競売物件は「格安」だと信じ込み、修繕費や占有者の立退き費用を考慮せず購入し、結果的に市場価格と変わらない総額になった。

確認ポイント:落札価格だけでなく、修繕・撤去・登記費用などを含めた総額で比較する。

2. 入札

定義:購入希望価格を書面で裁判所に提出する行為。期間入札が主流。

失敗事例:勢いで高額入札して落札後に資金不足に陥り、保証金を没収された。

確認ポイント:事前に資金計画を立て、上限額を決めておく。

3. 落札

定義:入札の最高額者として裁判所に認められること。

失敗事例:落札直後に重大な雨漏りが発覚。現況引渡しのため修理費全額負担。

確認ポイント:入札前に現地外観やGoogleストリートビューで可能な限り確認。

4. 開札

定義:入札締切後、裁判所が入札書を開封して結果を公開する手続き。

失敗事例:開札日に出向いたら想定よりも競争が激しく、最低落札額の1.5倍以上で落札されていた。

確認ポイント:過去の落札データを調べて入札額を予測。

5. 三点セット

定義:「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」の総称。競売物件の情報源。

失敗事例:現況調査報告書に「残置物多数」とあったが軽視し、撤去費50万円が発生。

確認ポイント:三点セットは必ず熟読し、専門用語は調べながら理解する。

6. 物件明細書

定義:権利関係や売却条件が記載された書類。抵当権や賃借権の有無を確認可能。

失敗事例:賃借権付き物件を落札し、立退きに長期間かかった。

確認ポイント:賃借権・地上権の記載があれば避けるのが無難。

7. 現況調査報告書

定義:執行官が現地調査してまとめた報告。占有者の有無や建物状態が記載される。

失敗事例:外観良好と思っていたが、内部は雨漏りで床腐食。報告書に記載があったが見落とした。

確認ポイント:室内写真や設備状況の欄を要チェック。

8. 評価書

定義:不動産鑑定士等による評価額を記載した書類。市場価格の参考にする。

失敗事例:評価額をそのまま市場価格と誤認し、入札額を決定。実際の市場価格は評価額より低かった。

確認ポイント:評価額は参考値。実際の取引事例も調べる。

9. 売却基準価額

定義:最低入札額。市場価格の70〜80%程度が一般的。

失敗事例:基準価額ギリギリで入札し、わずか1万円差で落札できなかった。

確認ポイント:基準価額+数万円〜数十万円上乗せする戦略も検討。

10. 買受可能価額

定義:入札できる最低額。売却基準価額の80%程度。

失敗事例:最低額で入札し競争に負ける。

確認ポイント:競合状況を見て現実的な価格を設定。

11. 保証金

定義:入札時に納めるお金。売却基準価額の20%が多い。落札失敗時は返金。

失敗事例:落札後に支払い不能で保証金没収。

確認ポイント:入札前に資金全額を用意しておく。

12. 買受人

定義:落札者のこと。代金納付後に所有権移転。

失敗事例:名義変更手続きの遅れで不動産取得税が余計にかかった。

確認ポイント:落札後の手続きスケジュールを把握。

13. 引渡命令

定義:占有者が退去しない場合に裁判所から発令してもらう命令。

失敗事例:発令まで数ヶ月かかり、賃貸予定が遅延。

確認ポイント:占有者情報を事前確認。

14. 占有者

定義:物件を使用・居住している人物。

失敗事例:親族が占有しており、立退き交渉が難航。

確認ポイント:占有者の属性と退去見込みを判断。

15. 残置物

定義:前所有者が残した家具やゴミ。撤去費用は買受人負担。

失敗事例:残置物撤去で100万円かかった。

確認ポイント:残置物の有無を写真で確認。

16. 現況引渡し

定義:現状のまま引き渡される原則。修繕・清掃は買受人負担。

失敗事例:内装全面改修で予算オーバー。

確認ポイント:修繕費用を事前に見積もる。

17. 用途地域

定義:土地利用を制限する都市計画の区分。

失敗事例:住宅を建てられない地域を購入してしまった。

確認ポイント:市役所で用途地域を事前確認。

18. 建ぺい率

定義:敷地面積に対する建築面積の割合。

失敗事例:希望より小さい建物しか建てられなかった。

確認ポイント:建築計画と照合。

19. 容積率

定義:敷地面積に対する延べ床面積の割合。

失敗事例:3階建てを建てる計画が制限で不可能に。

確認ポイント:容積率も市役所で確認。

20. 農地法

定義:農地利用・転用に必要な許可。

失敗事例:宅地化許可が下りず、再販売できなかった。

確認ポイント:農地は許可取得の可否を確認してから入札。

チェックリスト(入札前に必ず確認)

  • 三点セットを熟読したか?
  • 権利関係に不利な条件はないか?
  • 修繕・撤去費用を見積もったか?
  • 資金計画は万全か?
  • 占有者や用途制限は確認したか?

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