初めて競売に参加して落札した体験談|初心者でも成功できた理由と流れ
競売に挑戦するきっかけ
私は30代半ば、会社員として働きながら副収入になる不動産投資を模索していました。友人から「競売なら市場価格より安く買えるチャンスがある」と聞き、調べてみると賛否両論。自分で納得いくまで調べ、条件が合えば挑戦すると決めて動き出しました。
事前準備でやったこと
情報収集
- 三点セット(物件明細書・現況調査報告書・評価書)の読み方を学習
- YouTubeやブログで競売体験談をチェック
- 近所の落札物件の価格とリフォーム状況を調査
- BIT(不動産競売物件情報サイト)を毎日ウォッチ
特に有益だったのは、実際に落札後の物件を見せてもらったこと。築25年戸建を1,000万円で落札し、外壁・水回り改修後に月8万円で賃貸化していた実例を見て、自分にも再現できると感じました。
資金計画
競売は落札後の支払いが早く、一括が基本。私は自己資金1,200万円を用意しました。落札額以外の費用も事前見積り:
- 登録免許税:15万円(評価額1,000万円×1.5%想定)
- 不動産取得税:30万円
- 残置物撤去:20万円
- 内装リフォーム:80万円
- 予備費:50万円
合計約195万円を落札額とは別に確保し、想定外に備えました。
実際の入札・落札の流れ
対象は築28年・3LDK木造戸建。評価額1,000万円、想定市場価格1,500万円。現況は空き家で残置物多数の記載。私は相場・修繕費・利回りから入札価格を870万円に設定。
入札当日は必要書類を封筒に入れて裁判所へ提出。開札の瞬間、オンラインで結果を確認し、落札の二文字。入札者は3名、2位との差は15万円でした。
落札後の引き渡しまでの体験
落札確定後1週間以内に代金納付。所有権移転の手続きを進め、鍵の引き渡しへ。ドアを開けると大型家電や家具、生活ごみが山盛り…。業者に依頼して撤去費20万円で対応できました。
リフォームは壁紙・床の張替え、トイレと洗面台交換を実施し、合計約82万円。工期3週間の間に賃貸募集資料を整え、写真撮影・広告出稿まで済ませました。
賃貸募集と入居決定
周辺相場(3LDK)は6.8万〜8.5万円。新しめの内装と駐車場1台込みを訴求し、家賃8.5万円で募集。開始3週間で申込、1ヶ月で入居開始に。
収益シミュレーションと結果
- 落札額:870万円
- 諸費用合計(登録免許税・取得税・撤去・内装・予備の一部等):約195万円
- 総投資額:約1,065万円
- 家賃収入:8.5万円×12ヶ月=102万円/年
表面利回り:102万円 ÷ 1,065万円 ≒ 約9.5%
管理費・固定資産税・保険・原状回復積立などを差し引いた実質利回りは、概ね7%台を想定。初心者の初陣としては満足できる結果でした。
初めての競売で学んだ教訓
- 現況調査報告書は細部まで読む:「残置物あり」「占有者あり」は費用・時間に直結。写真・記載を隅々までチェック。
- 資金は余裕を持つ:落札額+20〜30%を予備費に。給湯器故障・配管不良などの突発費も想定。
- リフォーム業者は事前打合せ:入札前から現場確認(外観レベル)と概算見積もりを取り、即発注できる体制に。
- 入札額は感情で決めない:相場・修繕費・期待賃料から逆算し、上限を紙に書いて死守。
- 出口戦略を最初に決める:「賃貸」か「転売」かで改修仕様や費用配分が変わる。迷いが最もコスト。
これから参加する人へのアドバイス
- 情報収集を徹底:三点セット+現地外観+近隣ヒアリングでリスクを潰す。
- スケジュール管理:落札〜納付〜引渡し〜工事〜募集の工程をカレンダーに落とす。
- チームを作る:司法書士・リフォーム業者・管理会社を事前選定。連絡の速さも評価軸。
- 小さく始める:初回は戸建や少額区分など、致命傷にならない規模から。
私の場合、総投資約1,065万円に対し、家賃収入は年102万円。表面利回り約9.5%、実質で7%台。「安く買って、適切に整備して、適切に貸す」—この基本に忠実であれば、初心者でも十分戦えます。
まとめ
競売は「安く買える」反面、現況引渡し・短期決済・情報の非対称性という壁があります。しかし、三点セットの読み込み、資金の余裕、事前の業者連携、数字に基づく入札でその壁は越えられます。初めての1件を成功体験に変えれば、その後の投資判断の軸ができます。迷っているなら、まずは小さく、確実に。数字で語れる準備をして挑戦してみてください。
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